あらすじ
2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒、東北地方を突如襲った大地震。
この東日本大震災による地震や津波で命を落とした人は15,891人、
重軽傷者も6,152人、行方不明者数は2,584人にもなった。
最大震度は宮城県栗原市で観測された震度7。
この地震による津波で福島第一原子力発電所事故も起こった。
肉親や友人を亡くし人々が失意に暮れていた震災直後、
瓦礫の中から一人の女性が救急隊によって救助された。
彼女の名前は田口優子。
足が不自由な優子は車椅子にしがみ付き津波に流されるのを防ぎ奇跡的に助かったのである。
彼女もまた、たった一人の肉親である母親を震災で亡くしてしまった。
電気もつかない暗く寒い避難所生活の中で被災地の人々は
優子の優しく暖かい歌声に心を癒されていく。
『こんな私でも歌で傷ついた人々の心の支えになれるのなら、
生きる力になれるのなら、私は歌手になって歌いたい。たとえこの命が尽きようとも・・・』
優子は息を引き取る前に母に誓った歌手になるという夢を果たすため1人、
東京にやって来る。そこで音楽プロデューサー、宮田隆一と運命的な出逢いをし、
プロの歌手としてデビューするために二人三脚で歩き出す優子と宮田。
歌手とプロデューサーという立場を超え、やがて2人は恋に落ちる。
優子と宮田は何もかもが順調に思えたが2人の関係を良く思わない
宮田の長年の仕事のパートナーで愛人でもある大スター、吉木千草が
優子の夢と恋の前に大きく立ちはだかる。
さらに優子の成功に嫉妬する介護ヘルパーの草加由美の
卑劣な嫌がらせによって優子の夢と希望は失望から絶望へと変わって行き、
そして自ら命を絶とうとする。
が、そんな時、奇跡は起こった。
宮田の精力的なプロモーション活動が実り、
大手レコード会社が優子のメジャーデビューに名乗りを上げたのである。
二人の夢はいよいよゴールに辿り着こうとしていた。
しかし無常にも優子の命のカウントダウンも始まっていたのである・・・